前回の「定期更新が大事」に続き、かん吉さんに執筆いただいた記事を届けします。
ブログは終わった的な論調を定期的にみかけます。たしかにブログ単体では大きな影響力を発揮するのは難しくなっています。しかし、ソーシャルメディアとタッグを組んで、お互いの弱点を補うことで、最強の情報発信ツールとして生まれ変わりました。
目次
ブログの致命的な欠点
ブログは、ホームページ制作の技術がなくても、記事を書くだけで自動的にページが生成でき便利です。
新しい記事は、トップページやサイドバーの新着欄に自動的に掲載されます。ひと昔前までは、手動でページを作って、記事へのリンクをしていたことを考えると、ネットでの情報発信は劇的に手軽になっています。
しかし、記事の執筆が簡単になっても、ただ書くだけでは誰もブログを読んでくれません。ブログ自身は、集客する手段を持っていないのです。ブログの致命的な欠点です。
無料ブログサービスは、ブログサービスのトップページで新着記事が紹介されたり、同じブログサービス内の他のブログとの間でリンクしたりするので、多少のアクセスは期待できます。
WordPressなどのインストール型のブログサービスは、集客の仕組みはありません。ゼロから自力でアクセスを集める必要があります。
ブログには、以前はトラックバックの機能がありました。本来はこれらが外部からアクセスを呼び込むはずでした。ところが、無差別なトラックバックにより、スパムの巣窟になってしまい、撤去されてしまいました。ブログの集客は、検索エンジンに頼る時代がしばらく続きました。
ブログとソーシャルメディアの奇跡の出会い
X(旧Twitter)やFacebook といったソーシャルメディアの登場により「ブログは終わった」説が世間に流れはじめました。「ネット上のコンテンツの多くが、Facebook上に移動する」と言っていた経済評論家がいました。Facebookがネット上のプラットフォームになると予測したのです。
しかし、実際には予想通りにはなりませんでした。ソーシャルメディアは文字数に制限があったり、デザインの自由度が低くて、表現力に乏しかったのです。しっかりとした情報発信には向いていませんでした。
一方でソーシャルメディアの気軽さは、圧倒的な拡散力を生みました。ソーシャルメディアのタイムラインは、スマートフォンだと簡単にタップ&スライドでスクロールして読めます。外出先でもどこでも気軽に情報をチェック、シェアできるようになりました。
リツイートやシェアといった機能を利用すれば、興味を持ったコメントを、ボタン1つで簡単に知人に伝えることができます。そして、ソーシャルメディアのユーザーは気がついてしまったのです。自分で一から情報発信するよりも、ネット上にある面白いブログ記事をシェアしたほうが楽だし面白いことを。
ブログは記事を人々に届ける能力が弱い代わりに、デザインの自由度が広く、表現豊かに情報を発信できます。
ソーシャルメディアとお互いの弱点を補い合うことで、ブログは息を吹き返しました。ブログはソーシャルメディアを通して、記事を広められるようになったのです。
ブログ×ソーシャルで真価を発揮
ソーシャルメディアでバズった記事は、多くのニュースサイトや、ブログで紹介されます。
ブロガーが喉から手が出るくらい欲しかったナチュラルリンクが、大量に手に入るのです。ナチュラルリンクは、検索エンジンのランキングを決める重要な要素の1つです。
他人のブログからリンクをもらえるなんて、奇跡のようなものです。ソーシャルメディアでバズることが、間接的に検索エンジン対策になるのです。
個人のひと言がネット中を駆け巡る
「六次の隔たり」という言葉はご存知でしょうか? 世界中のどんな人へも、6人以内の知人のつながりでたどり着ける学術的な調査結果があります。
自分のツイートを読んだ知人がリツイートして、その知人がまたシェアして…。と続けば、とんでもない数の人のもとに、自分の言葉が届く可能性が、ソーシャルメディアによって生まれました。
X(旧Twitter)で一言発してベッドへ。朝起きたら思いっきりバズっていて、タイムラインがすごいことになっていたことがあります(筆者は経験済)。
個人のなにげない発言が、多くの人に届き、心を突き動かす力になる。ひと昔まえでは考えられなかったことが、現実に起きているのです。
大手に対抗できる唯一の手段
最近は大手企業が自らメディア(オウンドメディア)を立ちあげて、情報発信を始めています。プロのライターが書いた良質な記事を大量に投入しています。個人ブロガーにとっては脅威です。
しかし、大手メディアはエッジが効いたコメントがしづらいため、ソーシャルメディアを十分に活用できていません。ソーシャルメディアなら、個人でも勝てるチャンスは十分あります。
ソーシャルメディアでバズって、多くのサイトで紹介されれば、多くの被リンクを獲得して、検索ランキングでの上位表示が期待できます。
まとめ
最近のGoogleは、人々の行動を学習して、ランキングを決めているようです。ソーシャルメディアから多くの流入があるページは、それだけで上位表示される可能性があります。
プロフィール 菅家 伸(かん吉)