<インタビュー協力>
鈴木 阿実(リベラル・インキュベーション合同会社) 様
今回は2015年上期・下期表彰において、就職・転職・アルバイト部門にてアフィリエイトサイト優秀賞を受賞され、2015年就職・転職・アルバイト部門MVPにも選ばれた鈴木 阿実 様に、どのようにサイトを運営されているのか、アフィリエイトに向き合う姿勢と今後の展望についてお伺いしました。(2016年3月)
一番注力している転職分野のサイトを中心に、10サイト程度運営しています。
最も注力している転職分野では、2サイト運営していて、収益的に大きいのがサービス比較に近いサイト、もう一つは、好き勝手書きたいことを書いているブログ形式の情報サイトです。
ブログ形式の情報サイトは、私がアフィリエイターとして最初に作ったサイトです。そのサイト運営をはじめた当初は、実際に運営しているサイトで収益に至るまでの経緯を公開している先輩アフィリエイターのサイトをたくさん見て学びました。その結果、もう1つサイトがあったほうがいいなと思い、サービス比較のサイトを立ち上げました。
ブログのほうが多く、月約3万UU、10万PVがここ3年くらいずっと続いています。
比較サイトは、ランディングページ(LP)に近い作りのページがSEOで上がっているので、訪問者はすぐECサイトへ誘導されるか、ページを離脱するかの2択という感じで、月約3千PVくらい、1人当たり3ページくらい見られたら良いという感じで運営しています。
今の転職分野のサイトは2011年11月から始めて5年目(2016年3月時点)になります。開始3カ月目から報酬額が前月を上回り続けて順調に育ちました。当時、会社員をしながら副業でやっていましたが、会社員と同じくらいの収入が見込めるかもしれないと思ったのは、始めてから1年半くらい経ったときです。
法人設立自体は2015年の5月です。ただ、法人化する1年前に会社を辞めているので、専業でやっているという意味では約2年になります。
会社を辞めるか続けるかのラインを会社からの給料がなくてもやっていける収入を1年以上キープすることと自分のなかで決めていて、それが実現できたので、アフィリエイターの地位を向上させたいということもあり、法人化を決意しました。
はじめは一人で運営していましたが、ここ1,2年くらいは、外注を使うようになりました。サイトデザインやサーバーなどトラブルがあった時に対応してくれる技術の部分を外注にお願いしています。
サイト運営、特にSEO集客においては、答え合わせができない分野です。昨日は正解だったことも検索エンジンのアルゴリズム変更で不正解になってしまう可能性があるので、今も日々情報収集し、模索し続けています。
ある程度サイトが完成すると、単に記事追加をするだけでも、検索順位が下がってしまうのではないかという気持ちから手を入れるのが怖くなります。法人化して特に感じたのは、正解がわからないので崖に落ちる不安とずっと闘うんだなぁということです(笑)。
まず広告主を選ぶ基準は、報酬額や成果地点などアフィリエイターの目線は完全に捨てて、ユーザー視点で自分がサービスを利用するとしたらどれにするかを10個挙げ、そのなかから選ぶようにする、というようなルールを決めています。転職というのは、非常にデリケートな分野だと思っているので、まったく知らないサービスを掲載してくださいと依頼が来ても、そのルールに沿ってお断りするようにしています。
ASPに関しては、広告主さんとしっかり意思疎通ができているASPを選びたいと思っています。特に転職分野においてバリューコマースは主要なプログラムが揃っていて強いというのが僕の認識です。
運営するアフィリエイターと広告主とユーザーのwin-win-winが一番成立しやすいビジネスだというところです。 昔からいろいろな広告手法がありますが、費用対効果の面からみても、成果が発生しないと費用が発生しないという成果報酬型のアフィリエイトは衰退しないだろうなと思っています。
常に、ユーザーにとって価値あるサイトを作り続けることです。コンテンツの充実と、それにマッチしたユーザーを広告主のサイトへ誘導するという、2つの側面を両立しないといけないところが難しい点ですね。
自分が転職を経験して、キャリアの一環で転職を扱う会社にも籍を置いていたことで、転職分野でこれだけの記事が書けたという認識があります。裏を返すと、自分自身の課題にもなるのですが、自分がアフィリエイターとして広告を掲載する方法は、圧倒的な経験と知識量でできたサイトがあってこそで、新しい分野に参入しようにも膨大なインプットをこなしてからじゃないと、もしくは知識を分けてもらわないと有益な情報をアウトプットしていけないというところが、いつまでも難しいと感じます。
いまでこそ担当がついてもらえているので突っ込んだことが聞けるのですが、始めたころ一番不安だったのが、発生した注文が本当に承認されるのかということでした。まずは承認率を開示してくれると安心すると思います。アフィリエイターに承認率を開示することで、注文がぐっと伸びる広告主が増えると思います。
駆け出しのころに拾い上げてもらった自分だから思うことは、アフィリエイトサービスはまだ完全な知名度を得ているわけではないので、この世界で歩いていけるのか、初心者アフィリエイターはすごく不安です。そこをどう払拭してあげればいいのか、その一つが承認率の開示であって、あわせて、ヒヨコをりっぱなニワトリに導いてあげられるようなコミュニケーションがASPとの間にあったらうれしいなと思います。
大きなところで言うと、アフィリエイターの地位を向上させたいと思っています。
例えば結婚するときに相手の親御さんに「どんな仕事をしているの?」と聞かれて、「アフィリエイターです」と胸を張っていえるような職業に、もっともっと地位を向上させたいなと思っています。
また、サイトの展望としては、自分のサイトに訪れる人に絶対に知っておいてほしいことを、読んでもらわないと困ると思って作っていますので、より多くの人の目に触れるようにしていきたいと考えています。単純に人を多く集めて売上を追うのではなく、情報を求めている人に必要な情報をお届けするということを大切にしていきたいと思います。